電視観望に挑戦!

 事の発端は私が所属している天文部の冬合宿が中止になったことでした。冬合宿の代わりに学校に遅くまで残って観測できるように顧問が手を回してくれましたが、正直不満でした。観測と言っても学校備え付けの望遠鏡を顧問が動かし、生徒は眼観や撮影したデータを交換することしかできないからです。もっと自主的に活動したいと思い、電視観望が頭に浮かんだわけです。

 しかし実現に向けての課題も多いのです。一つは光害の問題。学校の周辺に光害の原因となる照明(グラウンドの照明や高速道路など)が多く、観測に適しているとは言い難いこと。もう一つは機材の問題。実際の観測では機材を借りられる?と仮定するにしても、テストの段階では個人機材に頼るわけですが、私の機材だとせいぜい天の川が撮れるかなといったところ... 望遠鏡買うにしても赤道儀やらなにやら込みで10万近く掛かり高校生の身では厳しいです。どうしても一度テストして準備万端で本番に臨みたいのです。

 まぁ最悪の場合本番ぶっつけでもいいかななどと思いつつ電視観望に使うソフト、Sharpcapの扱いには慣れておこうと。撮影にはCMOSではなくNikon D7100を使います。Sharpcapはデフォルトでは一眼に対応していない?らしいので、Samさんのブログを参考にしてASCOM プラットフォームとDSLRをインストールしてNikonのカメラも使えるようにしました。DSLR Profileの設定はニコンレガシーよりもニコンの方が安定するようです。ただPCのスペックが足りないのか、ソフトがバグっているのか、Live Viewモードが2分程度しか継続して使えないことやSharpcapが突然強制終了することがあるので安定しているとは言えません。まだSharpcapの使い方をよく分かっていないので試行錯誤しながらマスターしていきたいです。

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都内で夏の天の川を撮る?③

 前回はどの地域で天の川を撮れるかに焦点を当てていましたが、今回は光害カットフィルターについてです。というのも、そもそも光害の強い地域で天の川を撮ることを目的としているので、前回の内容は論文中の考察の部分に入れようかと。

 光害カットフィルターについては基礎的なことしか知らなかったので、論文の担当の先生に相談したところ、「いろんなフィルター使ってみてそれぞれの違いを、撮影した画像から比較してみたら?」とか「特殊なフィルター付けて天の川以外の波長の写真を撮って元写真から減算したら?」等々。前者はいいネタになりますし、フィルターは論文で必要だからという理由で先生から借用すればいいのですが、後者がいろいろと難しそうで... そんなフィルター聞いたことがないですし、普通のフィルターとの違いがよく分からない。そんなわけでフィルターの比較をやります。

 今回使用するのは主に天体観測専用のフィルターで、星景用のものではなく、がっつりカットする方を使います。候補に挙がっているのが、IDASのLPS-D2やサイトロンのComet BP2、ASTRO LPR TYPE2です。

しかし一番の問題は機材ではないのです。そう、時間です。東京都の条例?に「18歳以下の23時以降の外出は補導の対象」とあるので、移動時間も考えると22時半までしか撮影できないのです。9、10月の日の入り時刻は大体17:00でそれにプラス90分が天文薄明なので、露光時間は3~4時間くらいです。本当はもっと伸ばしたいですが、何日も観測して総露光時間を稼ぐ予定なのでなんとかなりそうです。早く大学生になって一晩中観測したいものです。

 

 

都内で夏の天の川を撮る?②

前回、夏の天の川を都内で撮るといいましたが少し方向性を変えることにしました。

いろいろ調べたのですが都内の光害が想像以上に酷く、手持ちの機材と私の画像処理の腕を考えた結果このようになりました。

①Light pollution mapのデータを使い、光害の非常に強い場所、中くらいの場所、弱い場所で天の川を撮影する。

②撮影したデータを見て、大体どの数値から天の川が撮れるのかを探る。

③日本全体(世界)で天の川が撮影できるのはどこなのかを地図で表す。

こんな感じでいきます!

この前天の川用にNikkor50mmF1.8のレンズを買ったのであとはフィルターだけですね。どのフィルターにすればいいのかまだ調べてないので急がないと夏が終わってしまいそうです。

都内で夏の天の川を撮る?①

 私の通っている高校の方針で、大学でいうところの卒論を書くのですが、なかなかテーマが決まらず結構悩んでました。宇宙関係にしようかなとは漠然と思っていましたが。しかし、ふとした時に天の川って光害酷くても撮れるのかな?と思いテーマにしました。

 どうしたら撮れるかなと考えたときに、最初に頭に浮かんだのが短時間多数枚撮影です。白飛びさせずに合計露出時間を稼ぐにはこれしかないだろうと。実際にその方法で望遠鏡を使って星雲や銀河を撮っている方もいらっしゃいますし、それなら天の川も...

 具体的な方法としては、光害フィルターを装着して天の川を広角レンズで何百枚も撮影します。そのあとで下処理とレベル補正をすれば浮かび上がってくるという算段です。いくつか問題になりそうな点があって、一つが光害の問題。あまり詳しくはありませんが、望遠鏡で狭い領域に影響する光の量と、広角で広い領域に影響する光の量は違う、広角の方が影響が強そう。それでも写るのか?という問題。コンポジットの時にちゃんと合うのか問題(明るい星で位置合わせを使う予定)いずれにせよ画像処理、特に各種補正や光害対策が肝になりそうです。

 光害地(都内)で天の川を撮るシリーズは進捗があり次第ちょくちょく更新します。あと参考までに以前都内で撮った日周運動の様子を、きつめにレベル補正掛けた写真をあげておきます。

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D5200 Nikkor 28mm F1.8 Iso100 F10 SS25×85枚

 

府中四谷橋で都市星景 

6月10日に東京都多摩市にある府中四谷橋という所で星景写真を撮ってきました。

当日は梅雨入り前最後の観測日和で、午後6時~午前4時あたりまでずっと雲量0の予報でした。ただ、家から出発するときに外に出てみたら湿度が高いのなんの.... レンズが曇るんじゃないかと気が気ではありませんでした。普通はヒーター巻いて対策しますが、あいにく I have no money なので曇っちゃったときは服の袖でふきふきすることが多いです(笑) 

 さて、撮影場所に着きました。多摩川沿いのかなり大きい橋なので、ランニングやサイクリングをしている人がかなり多く、三脚を立てて一眼を構えている私が異様に見えたのかジロジロ見られて少し恥ずかしいかったです。最初にカメラのセッティングも兼ねて車の光跡と橋を写した写真を撮りました。

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D5200 28mm F1.8 Iso100 F14 SS30


F値を大きくしすぎてしまい、光芒が強すぎますが撮影時は気が付きませんでした。経験不足ですね。画像編集でどうにかなるものなのでしょうか... この撮影で大体の設定は分かったのでメインの星景写真の方に移っていきます。

 今回は橋のタワー部分とアークトゥルス付近の星空を狙ってみました。下の写真が比較明合成だけした状態です。ソフトはSirius compを使っています。

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少し露出アンダーですね。今使っているカメラがニコンのD5200なんですけど、ヒストグラムの表示機能がないので適正露出かどうかの判断が難しいんですよね。

 この写真の問題点は

  • 全体的に露出アンダー
  • 星の光跡が弱い
  • 星が繋がって見えない

これらの問題を解決しつつ、見栄えの良い写真になるように編集していきます。編集ソフトは最近使い始めたGIMPを使いました。レベル調整とかちょこっとマスク使ったぐらいしか編集しなかったので、今回は詳しい説明は省きます。編集した結果、このような写真に仕上がりました。

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D5200 28mm F1.8 Iso100 F10 SS25×125枚

これから東京は梅雨入りして、7月上旬ごろまで天体写真の方はお休みになるので機材のメンテや普通の写真をやると思います。あ、6月21日に部分日食がありましたね。NDフィルターがそれまでに入手できればチャレンジしたいです。

 

Kenko NDフィルター 77mm PRO ND100000 日食撮影用 177495

Kenko NDフィルター 77mm PRO ND100000 日食撮影用 177495

  • 発売日: 2012/03/24
  • メディア: エレクトロニクス
 

 



 

ブログ始めました!

  こんにちは。カノパンです。このブログでは主に天体写真の撮影と画像処理について書いていきます。文章力の向上と備忘録として自分のやってきたことを残すために書いているので、初めのうちは文章の拙いところもありますが読んでいただけると嬉しいです。また、私の所属している天文部の活動や天体以外の写真、カメラ機材にも触れていきます。ブログの更新頻度は月に1~2回になると思います。